進学や就職で東京に出ることが決まったとき、多くの人が最初に迷うのが「いつから部屋を探せばいいのか」です。早すぎても部屋が出ていませんし、遅すぎると選べる部屋が残っていません。
結論から言えば、部屋が出そろうのは1月です。ただし12月のうちにやっておくことがあり、それをやったかどうかで2月以降の結果が変わります。
上京の部屋探しは、いつから始めればいい?
3〜4月入居の部屋が出そろうのは1月
早い部屋であれば12月から出てきますが、数は多くありません。3月に入居したい人向けの部屋がもっとも多く出てくるのは1月です。
2月は、競争がもっとも激しくなる
2月に入っても部屋は出続けますが、同じ部屋を探している人の数も最大になります。
繁忙期の動きは速く、出たその日に決まる部屋もあります。条件のよい部屋が、土日をまたいで残っていることはまずありません。1月のうちに候補を決めておいた人と、2月から探し始めた人とでは、同じ部屋を見ても結果が変わります。
12月にやるのは、判断の基準づくり
12月の時点では、3月に空く部屋の大半がまだ募集に出ていません。この時期にできるのは、部屋が出てきたときに迷わないよう、判断の基準をつくっておくことです。
住むエリアを決める
通学や通勤にかけられる時間を先に決めて、そこから路線と駅を絞ります。東京は路線が多く、地図上では近くても乗り換えが必要で時間がかかる場所があります。距離ではなく、乗り換え検索の所要時間で見てください。
家賃は都心に近いほど上がります。神奈川・埼玉・千葉まで範囲を広げると、同じ家賃で条件のよい部屋が見つかることがあります。川崎、浦和、市川のあたりは、都心まで30分前後で出られます。
同じ沿線でも、急行が止まる駅と各駅停車だけの駅とでは相場が変わります。候補を1駅に絞らず、3〜4駅ほど見ておくと選択肢が増えます。
家賃の上限を決める
毎月の家賃だけでなく、入居時にまとまったお金がかかります。敷金1ヶ月・礼金1ヶ月の部屋であれば、初期費用は家賃の5ヶ月分前後が目安です。内訳は内見なしで部屋を決めても大丈夫?にまとめています。
入居後にも、更新料や保証会社の年間更新料がかかります。家賃の上限は、これらを足した年間の負担で考えておくと、あとで苦しくなりません。
相場を見ておく
決めた条件で、ポータルサイトを何度か見ておきます。同じエリア・同じ間取りの部屋を10件も見れば、いくらが普通なのかが分かってきます。
基準を持っていれば、1月に部屋が出てきたときに安いか高いかをその場で判断できます。繁忙期は、迷っている間に決まります。
なぜ12月だと、まだ部屋が出ていない?
退去の予告は、1〜2ヶ月前が一般的
いま住んでいる人が退去するとき、管理会社への連絡は1〜2ヶ月前と決められているのが一般的です。3月末に退去する人が連絡するのは1月末から2月。募集が始まるのは、そのあとです。
12月に探しても思うように見つからないのは、部屋そのものがまだ募集に出ていないからです。
12月に出ているのは、いま入居できる部屋
12月に募集されている部屋の多くは、すでに空いていて、すぐに入居できる部屋です。4月まで待ってもらえるわけではありません。押さえるなら、住まない期間の家賃を払うことになります。
新築は募集が早い
新築の物件は、完成の数ヶ月前から募集が始まります。3月や4月に完成する物件であれば、12月の時点で出ていることがあります。
完成までは家賃が発生しないため、早く決めても住まない期間の家賃がかかりません。早めに決めたい人にとっては、現実的な選択肢です。
住まない期間の家賃を払わずに、早く押さえるには
居住中の部屋なら、申込で順番を確保できる
まだ前の人が住んでいる部屋は内見ができないため、申込が先になります。申込で順番を確保しておき、退去後に内見してから契約する進め方を先行申込といいます。
1月から2月にかけて出てくる3〜4月入居の部屋は、ほとんどがこの居住中の部屋です。見てから決めようとしている間に、先に申し込んだ人に順番を取られます。
家賃が発生するのは、前の人が退去したあと
先行申込であれば、家賃が発生するのは前の入居者が退去して、原状回復が終わったあとです。1月に申し込んでも、1月分や2月分の家賃を払うわけではありません。
早く押さえることと、住まない期間の家賃を払うことは、必ずしもセットではありません。この違いを知らずに待っていると、選べる部屋が減っていきます。
内見をせずに申し込むときに何を確認すればよいかは、内見なしで部屋を決めても大丈夫?にまとめています。
空室でも、家賃発生日を相談できることがある
すでに空いている部屋でも、家賃の発生日を少し先に延ばせる場合があります。空室期間が長くなっている部屋では、1ヶ月分の家賃が無料になるフリーレントが付くこともあります。
条件のよい部屋が12月に出てきたのであれば、いつから家賃が発生するかを確認したうえで判断してください。
進学で上京する人は、いつ動く?
合格発表の時期を押さえておく
いつ動けるかは、受験の種類で変わります。文部科学省の実施要項では、発表できる時期が次のように定められています。
| 入試の種類 |
合格発表の時期 |
| 総合型選抜 |
11月1日以降 |
| 学校推薦型選抜 |
12月1日以降 |
| 私立大学の一般選抜 |
2月が中心 |
| 国公立大学の前期日程 |
3月上旬 |
| 国公立大学の後期日程 |
3月中旬以降 |
年内に決まった人は、12月から準備できる
総合型選抜や学校推薦型選抜で年内に進学先が決まった人は、12月から動けます。といっても部屋はまだ多く出ていないので、やるのはエリアと家賃の上限を決めて、相場を見ておくことです。
私立大学の一般選抜は、発表から手続き締切までに動く
私立大学の一般選抜は、2月に試験と合格発表があります。入学手続きの締切は発表から数日から1週間ほどで、この期間は部屋探しの競争がもっとも激しい時期と重なります。
発表を待ってから探し始めると、候補を比べる時間がありません。受験が終わった時点で、合格したら住むことになるエリアの候補を3件ほど決めておいてください。
国公立は、前期の発表から2週間しかない
国公立大学の前期日程は、合格発表が3月上旬です。そこから部屋を探すとなると、繁忙期のいちばん混み合う時期に、2週間ほどで決めることになります。
後期日程はさらに短く、発表から入学まで1週間ほどです。この時期に現地へ内見に行く日程を組むのは、ほぼ不可能です。
第一志望の発表を待っている間に、合格したら住むエリアの相場と候補を見ておくことをおすすめします。発表の日から探し始めると、確実に出遅れます。
合格の前に申し込めるのか
合格前に部屋を予約しておけるような仕組みは、基本的にありません。ただし親が契約者になるのであれば、合格の前でも申し込めます。
高校生は収入がないため、実務では親名義での契約が基本です。進学先が決まる前に押さえておきたいのであれば、親名義で進めることになります。
契約者が親になる場合
親が契約者になると審査は親の収入で見るため、親の本人確認書類と、収入がわかる書類が必要になります。保証会社を使う場合、保証人を別に立てないことが多くなります。
ただし、親名義を認めない物件もあります。その場合は、その部屋を諦めることになります。申し込む前に、親名義で契約できるかを確認してください。
遠方に住んでいても、契約の手続きは郵送とビデオ通話で進められることが多くなっています。ただし、管理会社によっては来店を求められる物件もあるため、申し込む前に確認してください。
就職や転勤で上京する人は、いつ動く?
転勤なら、内示の前でも審査は通る
転勤は勤務先が変わらないため、審査は現在の勤務先と収入で問題なく通ります。そのため、内示が出る前の段階でも申し込めます。
内示から入居までの期間は短くなりがちです。内示が3月で入居が4月1日というケースも珍しくありません。その場合は、内示が出た時点ですぐに動く必要があります。
会社が契約者になる場合
社宅として会社が契約する場合は、会社の総務が手続きを進めます。仲介会社を指定されることもありますが、同じ部屋はどの仲介会社でも取り扱えるため、指定された会社でなければ契約できないわけではありません。会社の規定を確認してください。
転職の場合は、新しい勤務先を確認される
転職は勤務先が変わるため、審査で新しい勤務先を確認されます。内定通知書や採用条件通知書で進められる物件もあれば、入社後の給与明細を求められる物件もあります。
配属先が決まるのが5月というケースもある
新卒入社の場合、入社後しばらく研修が続き、配属先が決まるのは5月ごろということがあります。この場合は、3月までに部屋を決めることができません。
配属先が決まってから探すのであれば、繁忙期を外れるため部屋は選びやすくなります。一方で、研修期間中の住まいをどうするかという問題が残ります。会社の寮や仮住まいが用意されているかを、早めに確認しておきましょう。
申込から入居まで、何日かかる?
電子契約なら7日、郵送なら10〜14日
申込から入居まで = 電子契約で7日、郵送なら10〜14日
契約書を電子でやり取りできる管理会社であれば、7日で進むこともあります。郵送でのやり取りが必要な場合は、往復で4〜6日かかります。遠方から申し込むのであれば、10日から14日をみておいてください。
- 申込 申込書と必要書類を提出します
- 入居審査 保証会社と管理会社の審査を受けます
- 契約手続き 重要事項説明を受け、契約書をやり取りします
- 初期費用の入金 入金の確認まで1〜2日かかります
- 鍵の受け取り 入居日から受け取れます
必要書類を先に用意しておく
書類がどこか1つでも遅れると、その分だけ入居が後ろにずれます。申し込む前に手元へ揃えておいてください。
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証など)
- 収入がわかる書類(源泉徴収票、給与明細など)
- 連帯保証人または保証会社の情報
- 学生の場合は、学生証や合格通知書と、親の収入がわかる書類
- 新卒の場合は、内定通知書
物件によって変わるため、何が必要かは申し込む段階で確認してください。
入居日は、申込から2週間〜1ヶ月が目安
家賃がいつから発生するかは、管理会社によって幅があります。申込から2週間以内と決まっているところもあれば、1ヶ月まで待ってもらえるところもあります。
居住中の部屋であれば、前の入居者の退去予定日から1〜2週間後が入居できる日になります。4月に入居したいのであれば、2月から3月に退去予定の居住中の部屋を探すのが、もっとも無理のない進め方です。
入居日をどこまで延ばせるかは部屋ごとに違います。申し込む前に確認しておくべき項目です。
審査に通らなかったとき
審査に落ちることもあります。保証会社を変えて再審査できる物件もありますが、通らなければ別の部屋を探し直すことになります。
第一志望の部屋だけで進めず、次の候補を決めておいてください。繁忙期は、探し直している間に他の部屋も決まっていきます。
部屋探しと同時に動いておくこと
長距離の引越しは、料金が大きく変わる
引越しの繁忙期は2〜4月で、ピークは3月下旬から4月上旬です。この時期は予約が取れないことがあります。
地方から東京への引越しは距離があるぶん、料金も上がります。SUUMO引越しの調査では、500km程度の距離で単身の場合、次のような相場になっています。
| 荷物の量 |
通常期 |
繁忙期 |
| 少なめ |
約64,500円 |
約68,600円 |
| 多め |
約99,400円 |
約117,900円 |
荷物の量で2倍近く変わるため、冷蔵庫や洗濯機を運ばずに入居してから買えば、料金はかなり下がります。大型家電は、部屋の寸法を測ってから買うほうが失敗もありません。
入居日と引越し日は、同じ日にしなくていい
鍵を受け取った日に引越す必要はありません。数日ずらせるのであれば、ピークを外して予約でき、午後便やフリー便を選べばさらに下がります。
数日分の家賃は発生しますが、引越し料金の差のほうが大きくなることがあります。どちらが安いかを計算してから決めてください。
ガスの開栓と、インターネットの開通
電気と水道は連絡だけで使えるようになりますが、ガスは開栓に立ち会いが必要です。繁忙期は予約が埋まるため、入居日が決まったらすぐに連絡してください。
インターネットも、建物に回線が入っていない場合は工事が必要です。3月から4月は工事の予約が混み合い、1ヶ月以上待つこともあります。入居してすぐ使いたいのであれば、部屋が決まった時点で申し込んでおいてください。
4月以外の時期に上京する場合
退去の予告が1〜2ヶ月前というルールは時期を問わないため、ここまでの逆算の考え方はそのまま使えます。入居したい月の2ヶ月前から探し始めれば、ほぼ間に合います。
繁忙期を外れると、同じ部屋を狙う人が減り、条件が見直されている部屋も出てきます。中途採用での転職や下期の異動で動く人向けに、4月以外に上京するときの部屋探しにまとめました。
時期別・やることカレンダー
4月に入居する場合の動き方をまとめます。
| 時期 |
部屋の出方 |
やること |
| 10〜11月 |
3〜4月入居の部屋はほとんど出ていない |
住みたいエリアと家賃の上限を決める |
| 12月 |
新築と、早い退去予告の部屋が出始める |
相場を見ておく。気になる部屋が出たら、いつから家賃が発生するかを聞く |
| 1月 |
3〜4月入居の部屋がもっとも多く出てくる |
候補を絞る。居住中の部屋は先行申込を検討する |
| 2月 |
出続けるが、競争がもっとも激しい |
決める。迷っている間に決まる |
| 3月上旬 |
国公立の合格発表で申込が集中する |
発表から2週間で決める |
| 3月中旬以降 |
残りが少なくなる |
妥協する条件を先に決めておく |
| 4月以降 |
動きが落ち着く |
仮住まいも含めて考え直す |
間に合いそうにないときの選択肢
4月1日に住み始める必要が本当にあるかを、もう一度確認してください。入学式や入社日に間に合えばよいのであれば、入居を数日から1週間ずらすだけで、選べる部屋が増えることがあります。
マンスリーマンションや会社の寮で繁忙期を外し、落ち着いてから探すという進め方もあります。二重に費用はかかりますが、妥協した部屋に2年住むより安くつく場合があります。
4月を過ぎても残っている部屋
4月を過ぎても募集が続いている部屋には、何らかの理由があることが多いです。相場より家賃が高い、建物が古い、駅から遠い、設備に弱点があるといったものです。もちろん、たまたまタイミングで残っているだけという部屋もあります。
理由を確認したうえで納得できるのであれば問題ありませんし、長く決まらない部屋は家賃や条件が見直されることもあります。
まとめ